このような疑問を解消します。
記事の内容
- メタバースとセカンドライフの違いとは?
- メタバースを支える3つの最新テクノロジー
- メタバース普及への課題
- メタバースゲームの重要性
- まとめ:セカンドライフの二の舞では終わらない
この記事を読めば、メタバースとセカンドライフの違いがはっきりわかります。ぜひ読み進めてみてください。
メタバースとセカンドライフの違いとは?
結論から言うと、メタバースとセカンドライフの違いは登場した時代背景です。
下記の図のようにメタバースと、当時のセカンドライフができることはほぼ同じです。そのため、セカンドライフが2022年に登場していたら「これぞメタバース!」と呼ばれていたと考えられます。
メタバースとセカンドライフの比較表
項目 | メタバース | セカンドライフ |
---|---|---|
話題になった時期 | 2021年 | 2006年 |
デバイス | スマホなど様々 | Windwsパソコンのみ |
アバターでのコミュニケーション | ○ | ○ |
バーチャル世界でのイベントの参加 | ○ | ○ |
アバターのカスタマイズ | ○ | ○ |
建築物などの構築 | ○ | ○ |
土地やモノの売買 | ○ | ○ |
有名企業の参入 | ○ | ○ |
VRデバイス対応 | ○ | ✗ |
セカンドライフが流行した2006年はまだガラケーの時代です。当然パソコンのスペックも現在よりはるかに低く、インターネットはようやく光回線が普及を始めたころで、携帯の電波は3Gでした。こんな状況でよく社会を騒がせるほどの話題になったなと思います。
しかし、現在は当時のハイスペックパソコンを超える性能のスマホをみんなが持っています。光回線も普及し、5G通信もはじまりました。まだまだ発展途上ですが、VRデバイスも手の届きやすい値段で普及してきています。
このように、2006年当時よりはるかにメタバースを受け入れやすい環境が整っているといえます。これはユーザー数をみても明らかです。有名なメタバースのひとつ、フォートナイトのユーザー数と比較してみましょう。
セカンドライフのユーザー数:100万人(全盛期)
フォートナイトのユーザー数:3億5000万人(2021年)
もちろん、コンテンツの質やマーケティングの手法など要因は他にもあると思います。しかし、フォートナイトが2006年に存在していたらここまでのユーザー数を獲得することはなかったはずです。
このように、メタバースとセカンドライフができることに違いはほとんどなく、セカンドライフが失敗した原因は時代背景の問題だったと考えられます。登場した時代の、バーチャル空間にアクセスするために必要なテクノロジーの進歩と普及が両者の決定的な違いです。
メタバースを支える3つの最新テクノロジー
メタバースとセカンドライフができることに大きな違いはありませんが、機能を実現するために使われているテクノロジーは異なります。その中でも重要なものが次の3つです。
- 1.ブロックチェーン
- 2.暗号資産(仮想通貨)
- 3.NFT(Non-Fungible Token)
ひとつひとつが社会を大きく変えるインパクトを持っているテクノロジーです。
簡潔(かんけつ)に解説します。
1.ブロックチェーン
ブロックチェーンは柔軟で強固なネットワーク技術です。ブロックチェーンを利用することは誰でもできますが、チェーン上のデータを壊したり、改ざんしたりすることはほぼ不可能です。
なぜなら、チェーンに参加している全員が同じ内容の台帳を持っているからです。仮に誰かの台帳が改ざんされても、他の参加者が持っている正しいデータで自動的に修正されます。
2.暗号資産(仮想通貨)
暗号資産(仮想通貨)は銀行などを使わずに、ユーザー間で直接お金をやりとりできるようにしたデジタル通貨です。ブロックチェーン技術を用いてつくられています。
暗号通貨には円やドルと違い、銀行や政府といった特定の管理者がいません。ネットワークに参加する個人が分散して運営していく仕組みとなっています。
3.NFT(Non-Fungible Token)
NFTは唯一無二の価値を持つデジタルデータのことです。NFTもブロックチェーン技術の登場により実現しました。これまでのデジタルデータはコピーが簡単にできるため、価値を証明しづらく、どれがオリジナルかを見分けるのも困難です。
しかし、NFT化することで誰がいつデータを作成したか、誰の手に渡ったのかが証明できるようになりました。これにより、デジタルデータを資産として所有できるようになったのです。
現代のメタバースでは、このような技術が組み合わされることで、デジタル空間においても現実世界と同じような経済活動ができるように進化しました。
メタバース普及への課題
最新のテクノロジーが使われているメタバースにも普及に向けての課題は多くあります。そのひとつがVRデバイスです。
メタバースの多くは現実のような3D空間でつくられています。しかし、パソコンやスマホの画面を観ているだけでは、十分な没入感が得られません。そこでVRデバイスを装着するのですが、まだまだ大きくて重いのが現状です。
しかしながら、心配はいらないと考えられます。携帯電話も発売当初はアタッシュケースほどの大きさだったからです。VRデバイスもどんどん小型軽量化されて、普通のメガネぐらいの装着感になるのを想像することは難しくありません。
これを聞いて「そんなの相当先の話では?」と思うのも無理はありません。しかし現在、メタ社(元フェイスブック)をはじめ、マイクロソフトやパナソニックなど大手企業がVRデバイスの開発を進めています。この状況を考えると5年以内に実現するのではないでしょうか。
このように、メタバースの普及にはVRデバイスの進化が課題になっていますが、時間の問題で解決されるはずです。
メタバースゲームの重要性
最後に、メタバースゲーム重要性について解説します。
上述したように現在、大手企業がこぞってVRデバイスの開発をしています。しかし、いくら高性能なデバイスをつくったところで、欲しいと思う人がいなければやがて廃れてしまいます。そうならないためには、多少使いづらくてもVRデバイスを買ってメタバースに入りたいと思える魅了が必要です。
その魅了のひとつとなるのがメタバースゲームです。メタバースゲームには「フォートナイト」などブロックチェーンを使わないものもありますが、ブロックチェーン技術をつかって「NFT・暗号資産」を組み合わせたものが主流になりつつあります。
なぜなら、ゲームをプレイしながら稼げるからです。
いままでのゲームでは、ゲーム内で稼いだお金や手に入れたアイテムはゲーム内のデータとして保存されるだけでした。しかし、ブロックチェーンを使ったゲームでは、デジタルアイテムがNFTとなり資産性を持ちます。そして、ゲーム内のお金は法定通貨にも換金できる暗号資産です。
さらに、メタバースゲームは映画並みのグラフィックを使ったものも登場してきています。このような理由から、多少VRデバイスが使いづらくても、より没入感を得たいと思うユーザーが出てきても不思議ではありません。メタバースの普及に向けて、メタバースゲームは重要なカギを握っています。
» 【2022年版】メタバースゲームおすすめランキング10選【ゲームで稼ぐ時代】
まとめ:セカンドライフの二の舞では終わらない
本記事では、メタバースとセカンドライフの違いについて解説してきました。重要なポイントは次の3つです。
- 1.メタバースとセカンドライフの違いは登場した時代背景
- 2.メタバースはブロックチェーン技術と結びつき、仮想空間内で現実のような経済活動が行えるようになった
- 3.VRデバイスの普及にはメタバースゲームが重要なカギを握っている
そもそも現代人の多くは、すでに日常の大部分をSNSやネットフリックスなどを通してバーチャル空間ですごしています。その時間が今後、メタバースで過ごす時間へと移っていっても不思議ではありません。
したがって、メタバースは次第にあたりまえの日常になっていくことはあっても、セカンドライフの二の舞になって失敗はしないでしょう。ぜひ一度体験してみてはいかがでしょうか。